ドヴォルザーク: チェロ協奏曲/スケルツォ・カプリッチョーソクルツ(Vc) トスカニーニ&NBC交響楽団

ドヴォルザーク: チェロ協奏曲/スケルツォ・カプリッチョーソ
クルツ(Vc) トスカニーニ&NBC交響楽団

ボヘミアの魂、舞踏、歌、そして壮大な叙事詩
古今東西チェロ協奏曲の中、最高傑作とも言えるドヴォルザークのロ短調。ソロイストに迎えたのは、のちにバッハの組曲を校訂した業績でも知られる、エドムント・クルツ。ともすれば野太いだけで泥臭く演奏される恐れを孕むこの協奏曲を、あざとさのない正攻法で演奏。端正かつ安定した技巧は讃嘆すべきもの。ソロとオケのからみのバランスのよさは、さすがにトスカニーニ。1楽章の第2主題や3楽章のロンド主題でみられるオケとチェロの呼応の壮大さ・闊達さは特筆に価するでしょう。ニキシュにも愛奏されたスケルツォ・カプリッチョーソはボヘミアの舞曲と歌を凝縮した珠玉の傑作。心躍るリズムに染み入るメロディー。トスカニーニの「メトロノミカル」でない、雄弁な演奏が味わえる1曲です。

帯より